生まれた赤ちゃんの健康や幸福を願う行事。
メジャーなところでは七五三ですが、
他にもいろいろあるのをご存知ですか?
時代の移り変わりや都市化とともに
きっちり全部を行う家庭は少なくなってきているようですが、
「大切なこの子の記念日をたくさんお祝いしたい」
と思われる方は、行事の内容や日にちを覚えておきましょう。
▼目次(クリックで見出しへジャンプ)
そもそも赤ちゃんの行事はどうして生まれたの?
医療技術が進んでおらず栄養環境も今ほど良好でなかった昔、
小さいうちに亡くなってしまう子供はけして少なくありませんでした。
よって、健康や食で困らないように、幸福に生きられるように、
という周囲の願いが、さまざまな行事という形になっていったと考えられます。
では、年代別に見ていきましょう。
0歳から7歳まで行う6つの行事
6日目:お七夜
赤ちゃんが生まれた日を「1日目」と数え、
生後6日目の夜に、つけた名前を一族と産神様にお知らせし、食事会を行います。
産後6日というとお母さんも
赤ちゃんがまだ入院しているか退院したばかりであることが多く、
また親族を集めるとなると大変ですので、
最近では名前を書いた紙を貼るだけ、という家庭も多いようです。
31~33日目:お宮参り
厳密には、男の子は31日か32日目、女の子は32日目か33日目に、
氏神様の祀られている神社へ初めてお参りに行くことを指します。
しかし、そこにあまりこだわらず、
赤ちゃんやお母さんの体調を考え、
寒い時期や暑い時期を避けることもあり、
また、お母さんの体調がまだ良くないようであれば
先延ばしにすることもあります。
それ以外であれば、生後ひとつき前後で
都合のいい日時を選ぶと良いでしょう。
赤ちゃんを抱っこするのは父方の祖母というのが一般的ですが、
そうしたこだわりもだんだんとなくなってきています。
100日~120日:お食い初め
赤ちゃんが一生食べるものに困らないように
との願いを込めて、「食べさせる真似」を行います。
献立は「鯛、お赤飯、お吸い物、煮物、香の物」の5品。
少々値は張りますが、市販されている
「お食い初めセット」を利用すれば準備は簡単です。
同時にお膳も用意します。
男の子は朱、女の子は黒の、ともに漆塗りのお椀を使いますが、
高価なものですし何度も使うものではないので、ちょっと手が出ない…
という場合は普段使いの食器でもかまわないでしょう。
祝いの席にいる最年長者が、
祝箸でつまんだ料理をちょんと唇に当て、
一通り終えたら最後に氏神様の境内で拾ってきた
「歯固めの石」に触れたお箸で、立派な歯が生えるよう祈りを込めて
赤ちゃんの上下の歯茎にちょんちょんと触れて完了です。
誤飲を防ぐため、石を直接
赤ちゃんの歯茎に触れさせることはやめましょう。
1歳:一升餅、選び取り
「一升餅」は、その名の通り
一升(1.8kg)のお餅を背負わせる、または踏ませる行事です。
「一升」と「一生」をかけて、
「一生食べ物に困らないように」
「一生の重さを感じられるように」
という願いをこめたものといわれています。
「選び取り」は、赤ちゃんの将来を占う、
ちょっとした遊びのようなものです。
「そろばん」「筆」「巻き尺」「お金」の4種類を並べ、
赤ちゃんに選ばせます。
選んだものによって、
・「そろばん」→商売の才能
・「筆」→物書きの才能
・「巻き尺」→職人の才能
・「お金」→お金儲けの才能
が備わっている、と言われます。
最近ではサッカーボールなどを置いて
「スポーツ選手の才能」などに期待する家族もあるそうです(笑)。
3、5、7歳:七五三
11月15日、男の子は数えで3歳と5歳、女の子は数えで3歳と7歳に、
氏神様へ今後の成長を願ってお参りする行事です。
「え、男の子は5歳だけじゃないの?」と思われるかもしれませんが、
古来3歳のお参りが一番重要だったそうです。
今は特にこだわりがなく、男の子は5歳、女の子は3歳と7歳、
というのが一般的になりつつあります
その他:初節句
男の子は誕生後最初の5月5日(端午の節句)、
女の子は誕生後最初の3月3日(桃の節句)に行います。
生まれたばかり、という場合は翌年へ先送りすることもあります。
子供の健やかな成長を願うとともに、
厄を払う意味合いで行われます。
男の子は兜や武者人形、女の子は雛人形を飾ってお祝いします。
行事早見表
以上駆け足で見てきましたが、最後に表にまとめておきましょう。
名称 | 時期 | 備考 |
---|---|---|
お七夜 | 生後6日 | 命名式ともいう |
お宮参り | 生後31日から33日 | 男の子は31日か32日、女の子は32日か33日 |
お食い初め | 生後100日から120日 | – |
一升餅、選び取り | 生後1歳 | – |
初節句 | 生後初めての節句 | 男の子は5月5日、女の子は3月3日 |
七五三 | 数えで3歳、5歳、7歳 | 男の子は5歳、女の子は3歳と7歳 |
※これらの行事の名称や内容等は地域により大きく異なります。これらの行事を正式に行う場合、本記事はあくまで参考程度にとどめ、地域や親族の年長者に相談するなど、お住まいの地域の風習に従ってください。